男性
腕が後ろに回らない…服を着るのが辛い方へ|原因と改善法
2025.10.29
「エプロンの紐が結べない…」 「ブラジャーのホックが留められない…」 「ズボンの後ろポケットに手が届かない…」
腕が後ろに回らないという症状、実は日常生活に大きな支障をきたします。
医学的には「結帯動作(けったいどうさ)制限」と呼ばれ、五十肩やその他の肩疾患で非常によく見られる症状です。
今回は、整形外科での勤務経験10年、肩治療専門の整体院院長が、腕が後ろに回らない原因と、具体的な改善方法を詳しく解説します。
「腕が後ろに回らない」とは?医学的な解説
結帯動作(けったいどうさ)とは
結帯動作とは、腕を後ろに回して背中に手を持っていく動作のことです。
日常生活での結帯動作:
- エプロンの紐を結ぶ
- ブラジャーのホックを留める
- ズボンの後ろポケットに手を入れる
- 帯を結ぶ
- 背中を洗う
- 背中のファスナーを上げる
これらができないと、日常生活の質(QOL)が大きく低下します。
結帯動作に必要な肩関節の動き
結帯動作には、以下の複合的な肩の動きが必要です:
- 肩関節の伸展 – 腕を後ろに引く
- 肩関節の内旋 – 腕を内側にひねる
- 肩関節の内転 – 腕を体に近づける
- 肩甲骨の動き – 肩甲骨が正常に動くこと
これらの動きのどれか一つでも制限されると、結帯動作ができなくなります。
腕が後ろに回らない5つの原因
原因1: 五十肩(肩関節周囲炎)
最も多い原因が五十肩です。
五十肩では、関節包(かんせつほう)という肩関節を包む袋が硬くなり、特に前方の関節包が拘縮します。
五十肩で結帯動作が制限される理由:
- 関節包の前方が硬い → 腕を後ろに引けない(伸展制限)
- 烏口上腕靭帯が硬い → 腕を外側にひねれない(外旋制限)
- 上腕二頭筋が硬い → 腕を後ろに引けない
✅ 五十肩の特徴:
- 40〜60代に多い
- 夜間痛がある(あった)
- 腕を上げるのも辛い
- 前にも横にも後ろにも動かない
原因2: 腱板損傷(けんばんそんしょう)
肩のインナーマッスル(腱板)が損傷すると、結帯動作が制限されます。
特に**肩甲下筋(けんこうかきん)**の損傷では、内旋(腕を内側にひねる)動作が制限されます。
✅ 腱板損傷の特徴:
- きっかけがある(転倒、重い物を持ったなど)
- 力が入りにくい
- 特定の角度で痛い
- 夜間痛は五十肩より軽い
原因3: 猫背・巻き肩
姿勢の問題も、結帯動作制限の原因になります。
猫背・巻き肩では:
- 肩が前に巻いている → 腕を後ろに引きにくい
- 胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が硬い
- 肩甲骨が外に開いている
✅ 姿勢が原因の特徴:
- デスクワークが多い
- スマホをよく使う
- 肩こりがひどい
- 年齢問わず
原因4: 肩関節の可動域制限
過去の肩の怪我や、長期間動かさなかったことで、肩関節の可動域が狭くなっている状態です。
✅ 可動域制限の特徴:
- 過去に肩を痛めた経験
- 長期間肩を動かさなかった
- 徐々に動かなくなった
原因5: 肩甲骨の動きが悪い
肩甲骨が正常に動かないと、腕を後ろに回すことができません。
肩甲骨の動きに関わる筋肉:
- 前鋸筋(ぜんきょきん)
- 菱形筋(りょうけいきん)
- 僧帽筋(そうぼうきん)
これらが硬いと、肩甲骨が固まり、結帯動作が制限されます。
セルフチェック:あなたの原因はどれ?
チェック1: 結髪動作(けっぱつどうさ)はできる?
結髪動作: 腕を上げて、後頭部に手を持っていく動作(髪を結ぶ動作)
結果:
- 結髪OK、結帯NG → 主に肩関節の伸展・内旋制限
- 結髪NG、結帯NG → 五十肩の可能性が高い
- 結髪OK、結帯もほぼOK → 姿勢や軽度の制限
チェック2: 夜間痛はある?
夜、肩が痛くて目が覚める?
- YES → 五十肩の可能性が高い
- NO → 腱板損傷、姿勢、可動域制限
チェック3: 腕を上げられる?
腕を前・横に上げられる?
- 上げられない → 五十肩の可能性が高い
- 上げられるが結帯だけできない → 局所的な制限
チェック4: 猫背・巻き肩がある?
姿勢をチェック
- 明らかに猫背 → 姿勢が原因の可能性
- 肩が前に出ている → 巻き肩
今日からできる!結帯動作を改善する5つの方法
方法1: 肩関節伸展ストレッチ
腕を後ろに引く動きを改善します。
やり方:
- 壁の横に立つ
- 痛い方の手のひらを壁につける(体の後ろ側)
- そのまま体を前に進める
- 肩の前側が伸びるのを感じる
- 30秒キープ、3回繰り返し
ポイント: 痛みが出ない範囲で
方法2: 胸のストレッチ(大胸筋・小胸筋)
胸の筋肉が硬いと、腕を後ろに回せません。
やり方:
- 壁の横に立つ
- 片手を壁につける(肘は90度)
- 体を反対側にひねる
- 胸が伸びるのを感じる
- 30秒キープ、左右各3回
効果: 巻き肩改善、胸の筋肉がほぐれる
方法3: タオルを使った結帯練習
やり方:
- タオルの両端を持つ
- タオルを背中に回す
- 上の手で下の手を引っ張る(補助する)
- 少しずつ手の位置を近づける
- 10回繰り返し
ポイント: 毎日少しずつ、手の位置が近づくように
方法4: 肩甲骨はがし
肩甲骨の動きを改善します。
やり方:
- 両手を肩に置く
- 肘で大きく円を描くように回す
- 前回し10回、後ろ回し10回
- 肩甲骨を寄せたり開いたりを意識
効果: 肩甲骨周りの筋肉がほぐれる
方法5: 姿勢改善
猫背・巻き肩を改善します。
姿勢改善のポイント:
- 骨盤を立てて座る
- 肩甲骨を寄せる
- 顎を引く
- 胸を張る(軽く)
デスクワーク中の意識:
- 1時間に1回立ち上がる
- 肩を回す
- 胸のストレッチ
こんな症状は要注意!すぐに専門家へ
⚠️ 専門家への相談が必要なケース
- 突然腕が後ろに回らなくなった
- 夜間痛が強い
- 腕に力が入らない
- しびれがある
- 日常生活に大きな支障がある
- 3ヶ月以上セルフケアしても改善しない
これらの場合は、整形外科や整体院で専門的な評価・治療を受けましょう。
甲子園整体院てるスタジオの結帯動作改善治療
当院は、肩治療に特化した整体院です。
なぜ結帯動作制限の改善に強いのか?
✅ 原因を正確に評価
五十肩?腱板損傷?姿勢?肩甲骨?
原因を見極めることで、最適なアプローチが可能です。
✅ 整形外科医一家の医学的知識
父・兄が肩関節専門の整形外科医。解剖学・運動学に基づいた治療を提供します。
✅ 関節包・靭帯へのアプローチ
特に烏口上腕靭帯、関節包前方へのリリースを行います。
✅ 肩甲骨・胸椎からのアプローチ
肩だけでなく、肩甲骨・胸椎・姿勢など、根本原因にアプローチします。
✅ 段階的なリハビリ指導
痛みの状態に合わせた、自宅でできるストレッチを指導します。
当院での治療の流れ
1. 詳細な評価(30分)
- 結帯動作の可動域測定
- 結髪動作との比較
- 肩関節の各方向の可動域チェック
- 肩甲骨の動きチェック
- 姿勢分析
2. 原因に応じた施術(30分)
- 関節包・靭帯のリリース
- 胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)のリリース
- 肩甲骨周りの筋肉調整
- 胸椎の調整
- 姿勢改善
3. セルフケア指導(10分)
- 自宅でできるストレッチ
- 日常生活での注意点
- 段階的な改善目標の設定
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こんな方はぜひご相談ください
- エプロンの紐が結べなくて困っている
- ブラジャーのホックが留められない
- 背中を洗うのが辛い
- ズボンの後ろポケットに手が届かない
- 五十肩と言われたが、結帯動作だけできない
- 整形外科で「様子を見ましょう」と言われた
- セルフケアしても改善しない
- 早く日常生活を取り戻したい
最後に
「腕が後ろに回らない」という症状は、放置すると改善しにくくなります。
特に五十肩の場合、拘縮が進むと、可動域が狭いまま固まってしまうことも…
早期の適切な治療で、結帯動作を取り戻しましょう。
整形外科医一家の知識と、整形外科での10年の経験を活かし、あなたの「腕が後ろに回らない」を改善します。
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⏰ 営業時間: 平日 9:00〜20:00
🈺 定休日: 土日祝
※2回目以降の方は土日や時間外でも受付できる場合があります
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院長 照屋(てるや)