専門家
野球肘・肘下がりの原因と改善方法
2025.11.7
野球肘・肘下がりの原因と改善方法|投球障害を根本から改善
「投げた後、いつも肘が痛い…」
「球速が落ちてきた気がする…」
「コーチに『肘が下がってるぞ』と言われた…」
野球をしている多くの選手が悩む肘下がりと野球肘。
実は、この「肘下がり」が肘の痛み・球速低下・制球力低下の原因になっていることが非常に多いのです。
今回は、整形外科での勤務経験10年、整形外科医一家の知識を持つ院長が、野球肘・肘下がりのメカニズムと、具体的な改善方法を徹底解説します。
野球肘・肘下がりとは?
野球肘とは
野球肘とは、投球動作の繰り返しによって肘関節に痛みが生じる障害の総称です。
医学的には:
- 内側側副靭帯(UCL)損傷
- 内側上顆炎
- 骨端線障害(成長期)
- 離断性骨軟骨炎
など、様々な病態が含まれます。
肘下がりとは
肘下がりとは、投球動作において腕が理想的な位置よりも低い位置で振られる状態を指します。
正常な投球フォームでは、肩の高さかそれ以上の位置で肘が保たれますが、肘下がりではこの位置が低下します。
肘下がりが引き起こす問題:
- 肘関節への過度なストレス
- 肩関節のインピンジメント
- 球速・制球力の低下
- 内側側副靭帯(UCL)損傷のリスク増加
- 腰痛や体幹部への代償的負担
なぜ肘下がりで野球肘になるの?3つのメカニズム
メカニズム1: 肘への外反ストレス増加
投球動作の加速期において、肘には外反ストレス(肘が外側に開く力)がかかります。
正常な肘の位置:
- 外反ストレス: 適度な範囲
- 内側側副靭帯への負担: 許容範囲
肘が下がった位置:
- 外反ストレス: 約1.5〜2倍に増加
- 内側側副靭帯への負担: 許容範囲を超える
つまり、肘が下がるだけで、肘の靭帯には約2倍の負荷がかかっているのです。
この負荷を支えるために、以下の組織が常にストレスを受けます:
- 内側側副靭帯(UCL)
- 屈筋群(尺側手根屈筋、橈側手根屈筋など)
- 円回内筋
結果: 野球肘(内側型)
メカニズム2: 肩関節のインピンジメント
肘が下がると、肩関節内で以下の問題が発生します:
- ✅ 上腕骨頭が前上方に偏位
- ✅ 肩峰と上腕骨大結節が衝突
- ✅ 腱板(特に棘上筋)が挟まれる
- ✅ 肩峰下滑液包が炎症を起こす
結果: 肩の痛み、可動域制限
メカニズム3: 運動連鎖の破綻
投球動作は、下肢→体幹→肩→肘→手首という順序で力が伝わります。
肘が下がると:
- 下肢・体幹からの力が効率よく伝わらない
- 肘や肩だけで力を出そうとする
- 局所への負担が増大
結果: 肘・肩の過負荷、球速低下
あなたの肘も下がってる?セルフチェック
チェック1: 鏡チェック(正面)
やり方:
- 鏡の前で投球フォームを取る
- 腕を最も高く上げた位置(トップポジション)で止める
- 肘と肩の高さを比較
結果:
- ✅ 肘が肩と同じ高さ or それ以上 → 正常
- ❌ 肘が肩より明らかに低い → 肘下がり
チェック2: 動画チェック(横から)
やり方:
- 横から投球動作を動画撮影
- 加速期(腕が最も加速する瞬間)で一時停止
- 肘の位置を確認
結果:
- ✅ 肘が肩の高さを保っている → 正常
- ❌ 肘が肩より下がっている → 肘下がり
チェック3: 症状チェック
以下の症状、3つ以上当てはまりますか?
- ☑️ 投球後に肘の内側が痛い
- ☑️ 球速が以前より落ちた
- ☑️ コントロールが悪くなった
- ☑️ 肩が痛い・違和感がある
- ☑️ 腕が上がりにくい
- ☑️ 投球数が増えると痛みが増す
- ☑️ 朝起きた時に肘が曲がりにくい
- ☑️ 肘の内側を押すと痛い
- ☑️ ボールを握る力が弱くなった
- ☑️ 投球フォームが崩れた気がする
3つ以上当てはまる → 肘下がり・野球肘の可能性が高い
肘下がりを放置すると…危険な未来
リスク1: 内側側副靭帯(UCL)断裂
肘下がりが続くと、内側側副靭帯に過度な負担がかかり、靭帯の部分断裂〜完全断裂のリスクが高まります。
UCL損傷の症状:
- 激しい肘の痛み
- 投球不可能
- 握力低下
- 手術が必要になる場合も(トミー・ジョン手術)
リスク2: 離断性骨軟骨炎(OCD)
成長期の選手に多く、肘の外側で骨と軟骨が剥がれる障害です。
症状:
- 肘の外側の痛み
- 肘の曲げ伸ばし制限
- 重症例では手術が必要
リスク3: 投球生命の終了
適切な治療をせずに投げ続けると:
- 肘の変形
- 慢性的な痛み
- 可動域の永続的な制限
- 野球を続けられなくなる
肘下がりの5つの原因
原因1: 肩甲骨周囲筋の弱化
肩甲骨は投球動作の土台です。
弱化しやすい筋肉:
- 僧帽筋中部・下部線維
- 前鋸筋
- 菱形筋
これらが弱いと:
- 肩甲骨が不安定になる
- 肩甲骨が下方回旋・外転してしまう
- 肘の位置が下がる
原因2: 回旋筋腱板(ローテーターカフ)の機能不全
回旋筋腱板:
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
これらが弱い・硬いと:
- 上腕骨頭の求心性が失われる
- 肩関節が不安定
- 肘が下がる代償動作
原因3: 胸椎(背骨)の可動性低下
投球動作には、胸椎の回旋・伸展が必要です。
胸椎が硬いと:
- 体幹の回旋が不十分
- 肩・肘で代償
- 肘が下がる
原因4: 股関節・下肢の柔軟性・筋力不足
投球は下半身から始まります。
重要な筋肉:
- 中殿筋(軸足の安定)
- 大殿筋(股関節伸展)
- ハムストリングス
下肢が弱い・硬いと:
- 下肢からの力が伝わらない
- 上半身だけで投げる
- 肘が下がる
原因5: 疲労・投げすぎ(オーバーユース)
疲労が溜まると:
- 筋力が低下
- フォームが崩れる
- 肘が下がる
年齢別の推奨投球数:
- 小学生: 1日50球以内
- 中学生: 1日70球以内
- 高校生: 1日100球以内
今日からできる!肘下がり改善の5つの方法
方法1: 肩甲骨安定化エクササイズ(3選)
エクササイズ①: プローンY運動
やり方:
- うつ伏せに寝る
- 両腕をY字に開く(親指を上に)
- 肩甲骨を寄せながら腕を床から持ち上げる
- 2秒キープして下ろす
- 10回×3セット
効果: 僧帽筋下部線維・前鋸筋の強化
エクササイズ②: プローンT運動
やり方:
- うつ伏せに寝る
- 両腕をT字に開く(親指を上に)
- 肩甲骨を寄せながら腕を床から持ち上げる
- 2秒キープして下ろす
- 10回×3セット
効果: 僧帽筋中部線維・菱形筋の強化
エクササイズ③: プランクプラス
やり方:
- プランク姿勢(肘をついた腕立て伏せの姿勢)
- 肩甲骨を外に広げる(背中を丸める)
- 2秒キープして戻す
- 15回×3セット
効果: 前鋸筋の強化
方法2: 回旋筋腱板強化(2選)
エクササイズ①: 外旋運動(サイドライイング)
やり方:
- 横向きに寝る
- 上側の腕の肘を90度に曲げる
- 肘を体につけたまま、手を天井に向けて回す
- ゆっくり戻す
- 15回×3セット(チューブorダンベル500g〜1kg)
効果: 棘下筋・小円筋の強化
エクササイズ②: 内旋運動
やり方:
- 立位でチューブを横に固定
- 肘を90度に曲げて、チューブを持つ
- 肘を体につけたまま、手をお腹側に引く
- ゆっくり戻す
- 15回×3セット
効果: 肩甲下筋の強化
方法3: 胸椎モビリティエクササイズ
エクササイズ: オープンブック
やり方:
- 横向きに寝て、両膝を90度に曲げる
- 両手を前に伸ばして重ねる
- 上側の手を天井→反対側へ大きく開く
- 胸が開くのを感じる
- 10回×3セット(左右)
効果: 胸椎回旋可動域の改善
方法4: 下肢・体幹トレーニング(2選)
エクササイズ①: 片足スクワット
やり方:
- 片足で立つ(軸足側のトレーニング)
- 膝を曲げてゆっくり腰を下ろす
- 膝がつま先より前に出ないように
- 10回×3セット(各脚)
効果: 中殿筋・大殿筋の強化
エクササイズ②: デッドバグ
やり方:
- 仰向けに寝て、膝と股関節を90度に曲げる
- 対側の腕と脚を伸ばす(右腕と左脚など)
- 腰が反らないように注意
- 10回×3セット(左右交互)
効果: 体幹安定性の向上
方法5: 投球フォームの見直し
チェックポイント:
- ワインドアップ時: 軸足にしっかり体重を乗せる
- トップポジション: 肘が肩の高さ以上
- 加速期: 肘が先行せず、体幹の回旋を使う
- フォロースルー: しっかり腕を振り切る
ポイント: ビデオ撮影して、自分のフォームを客観的に確認する
野球肘・肘下がり、整体で改善する?
整体が効果的な理由
野球肘・肘下がりは、筋力不足・柔軟性低下・フォーム不良が原因なので、整体が非常に効果的です。
整体でできること:
- ✅ 肩甲骨周囲筋・回旋筋腱板をほぐす
- ✅ 胸椎の動きを改善
- ✅ 股関節・下肢の柔軟性向上
- ✅ 投球フォームのチェック
- ✅ 再発予防のエクササイズ指導
特に、硬くなった深層筋(インナーマッスル)は、自分ではほぐせません。
プロの手技で、根本から改善することが可能です。
甲子園整体院てるスタジオの野球肘・肘下がり治療
当院は、スポーツ障害・投球障害に特化した整体院です。
なぜ野球肘の改善に強いのか?
✅ 投球動作を徹底的に分析
肘下がりの程度、肩甲骨の動き、体幹の使い方など、全身の動作を評価します。
✅ 整形外科医一家の医学的知識
父・兄が整形外科医。解剖学・運動学に基づいた治療を提供します。
✅ 肩甲骨・胸椎からのアプローチ
肘だけでなく、肩甲骨・胸椎・股関節など、全身のバランスを整えることで、根本改善を目指します。
✅ 深層筋へのアプローチ
回旋筋腱板、前鋸筋など、深い部分の筋肉にアプローチします。
✅ 投球フォーム改善エクササイズ指導
自宅でできる、肘下がり改善エクササイズを丁寧に指導します。
当院での治療の流れ
1. 詳細な動作評価(30分)
- 肘下がりの程度測定
- 肩・肘の可動域チェック
- 肩甲骨の動きチェック
- 投球フォーム分析(動画撮影)
- 筋力・柔軟性評価
2. 根本原因へのアプローチ(30分)
- 肩甲骨周囲筋の調整
- 回旋筋腱板のリリース
- 胸椎の調整
- 股関節・下肢の柔軟性改善
- 投球フォーム指導
3. セルフケア指導(10分)
- 肩甲骨安定化エクササイズ
- 回旋筋腱板強化
- 投球前後のストレッチ
- 投球数管理のアドバイス
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こんな方はぜひご相談ください
- 投げた後に肘が痛い
- コーチに「肘が下がってる」と言われた
- 球速が落ちた・コントロールが悪くなった
- 肘の内側を押すと痛い
- 病院で「野球肘」と診断された
- セルフケアしても改善しない
- 根本から投球フォームを改善したい
- 再発を予防したい
最後に
野球肘・肘下がりは、適切な治療とトレーニングで必ず改善できます。
「痛いけど我慢して投げる」のは絶対にNGです。
痛みがある時は、早期に専門家に相談することが、早期復帰・再発予防の鍵です。
整形外科医一家の知識と、整形外科での10年の経験を活かし、あなたの野球肘を根本から改善します。
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甲子園整体院てるスタジオ
院長 照屋(てるや)
