肩こりに肩揉みは一時的な効果しかない理由

多くの方が、肩こりを感じたときに無意識に肩を揉んでいます。

家族に揉んでもらったり、マッサージ店に通ったり。その瞬間は確かに楽になる。硬くなった筋肉がほぐれ、血流が改善し、心地よさを感じるでしょう。

けれど、翌日にはまた同じ重さが戻ってくる。週に何度も通っても、根本的には変わらない。それどころか、年々ひどくなっているように感じている方も少なくないはずです。

なぜ、肩を揉んでも肩こりは治らないのか。

それは、肩こりの本質が「筋肉の硬さ」だけにあるのではないからです。

肩こりの本当の原因は筋肉のアンバランス

肩こりの多くは、長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用、猫背などの姿勢不良によって引き起こされます。

この時、体には何が起きているのでしょうか。

緊張している筋肉と、弱化している筋肉

猫背の姿勢が続くと、胸の前側にある大胸筋や小胸筋は縮んで硬くなります。この前方の筋肉の緊張によって、肩甲骨は前方に引っ張られ続ける。

その結果、背中側にある僧帽筋や菱形筋は、伸ばされたまま緊張を強いられます。本来、肩甲骨を支えるべき前鋸筋などのインナーマッスルは、機能を失い、眠ったまま。

つまり、表層の僧帽筋ばかりが過剰に働き続け、血流が悪くなり、痛みを生じやすくなっているのです。

肩を揉んでも根本は変わらない

肩を揉むという行為は、この過緊張した僧帽筋を一時的に緩めることはできます。

しかし、前方の胸筋群の硬さは残ったまま。肩甲骨を支える筋肉は弱化したまま。姿勢のアライメントは崩れたまま。

だから、体はすぐに元の状態に戻ってしまうのです。

肩こり改善に本当に必要なこと

肩こりを根本から改善するためには、緩めること + 整えること + 鍛えること の3つが必要です。

緊張筋への徒手療法

まず、過緊張している僧帽筋、胸筋群、斜角筋などを、適切な手技で緩めていく。これは肩を揉むこととは違い、筋膜のつながりや骨格の構造を理解した上での施術が必要です。

姿勢アライメントの改善

猫背や巻き肩といった不良姿勢そのものを整える。肩甲骨、鎖骨、胸郭、頚椎――これらすべてが正しい位置関係を取り戻すことで、筋肉への負担は減少します。

弱化筋への運動療法

そして最も重要なのが、弱化した筋肉を目覚めさせ、機能させることです。

前鋸筋、菱形筋、深頚部屈筋、体幹筋――これらの筋肉が正しく働くようになれば、肩甲骨は安定し、僧帽筋への過剰な負担は軽減されていきます。

緩めるだけでは不十分。鍛えることで初めて、体は本当に変わり始めるのです。

肩こりは全身の問題である

もう一つ、重要な視点があります。

肩こりは、肩だけの問題ではないということです。

下位交差症候群という概念があります。腰が反り、お腹の筋肉が使えていないと、胸郭は後方に移動し、首は前に出る。その結果、僧帽筋に負担がかかり、肩こりが発症するのです。

つまり、体幹や股関節の状態も、肩こりに深く関わっている。だからこそ、頭部・体幹を含めた全身へのアプローチが不可欠なのです。

甲子園整体院てるスタジオの肩こり治療

当院では、肩こりを「肩を揉めば治る症状」とは捉えていません。

筋筋膜、骨関節、神経・血管――この3つの視点から、あなたの肩こりの本当の原因を見極めます。

そして、緊張筋への徒手療法で筋肉を緩め、姿勢アライメントを整え、弱化筋への運動療法で機能を回復させていく。

表面的な対症療法ではなく、構造から変える。それが、私たちの治療です。

まとめ:肩揉みでは肩こりは治らない

肩を揉むことは、決して無駄ではありません。一時的な緩和にはなります。

けれど、それだけでは根本的な解決には至らない。

肩こりの本質は、筋肉のアンバランスと姿勢の崩れにあります。緊張している筋肉を緩め、弱化している筋肉を鍛え、全身のバランスを整える。

そうして初めて、肩こりから本当に解放される道が開けるのです。

あなたの肩こりは、まだ変わる。そして、変わる価値がある。

本気で肩こりと向き合いたいと思ったら、一度ご相談ください。私たちは、あなたの体の未来に真摯に向き合います。

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